FODMAP(フォドマップ)は、消化器官の健康や過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)などの消化器トラブルの症状を軽減するため食事療法の考え方一つです。
「FODMAP」という言葉は、特定の短鎖炭水化物や糖アルコールの総称で、英語のFermentable Oligosaccharides, Disaccharides, Monosaccharides, And Polyols(発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類およびポリオール)の頭文字をとったものです。
これらは消化が難しく腸内で発酵しやすい性質を持つため、ガスの発生や水分の変動を引き起こし、腸の症状を悪化させることがあります。
今回の記事ではSIBOに関連して書いております。
SIBOSIBOの事を知ったけど、どう対処していいか分からない方に読んだいただきたいと思います。
\\今の不調と体質を可視化//
目次
高FODMAP食品に該当する炭水化物とその特徴
1,発酵性オリゴ糖類
・主成分:フルクタンとガラクオリゴ糖
・含まれる食品:玉ねぎ、にんにく、アスパラガス、ブロッコリー、全粒粉、ライ麦。
・特徴:小腸で消化吸収されにくく、発酵してガスを発生しやすい。
2,二糖類
・主成分:ラクトース(乳糖)
・含まれる食材:牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、クリームチーズ。
・特徴:乳糖不耐症の方は消化が難しい。
3,単糖類
・主成分:フルクトース(果糖)。
・含まれる食品:リンゴ、スイカ、マンゴー。
・特徴:フルクトースが過剰に含まれる場合、小腸での吸収が追いつかず、症状を引き起こす。
4、ポリオール類
・主成分:ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マンチトール
・含まれる食品:糖アルコールを含む甘味料、プラム、さくらんぼ、アボガド。
・特徴:腸内で水分を引き込みやすく、発酵によるガスを生じやすい。
5,発酵食品
FODMAPと腸内トラブルの関係
FODMAP食品は、SIBOで腸の調子が良くないと、小腸内の腸内細菌によって発酵されます。
その際、ガスが発生し、腸内の圧力が増加するため、以下のような症状を引き起こすことがあります。
・腹部膨満感
・腹痛
・下痢
・便秘
特に、過敏性腸症候群(IBS)を抱える人は、FODMAP食品には敏感であるため、摂取量を管理することで症状を軽減できる可能性があります。
FODMAP食事療法の基本的な進め方
FODMAP食品の制限は、症状のトリガーとなる食品を特定し、それを制限または適切に管理することで腸の健康を改善することを目的としています。
このアプローチは以下の3つのステップで進められます。
1,制限期
・高FODMAP食品を完全に制限する期間です。
・期間は通常4〜8週間程度で、この間に症状が改善されるかどうかを観察します。
2,再導入期
・制限期で症状が改善した場合、少しずつ高FODMAP食品を摂り入れます。
・症状が出る食品は後に回していきましょう。
3,維持期
・症状が出にくい食品は、普段の食事に入れていき、症状を引き起こす食品は少し腸内環境が改善してきたら少しずつとりいれるなどして食事プランを構築していくのがいいと思います。
FODMAP食事療法のメリット
1,症状の改善
・特にIBSに対しての効果が高いとされております。食事後に腹痛、腹部膨満感などを感じる方には効果的です。
2,腸内環境の最適化
・症状を引き起こす食品を避ける事で腸内の炎症や症状を軽減させます。
3,個別対応
・各個人の体質に応じた食事計画を立てる事で、無理なく長期的に実践ができます。
注意点とデメリット
1,栄養不足
・高FODMAP食品は栄養価が高いものが多いため、過剰な制限は栄養バランスを崩す可能性があります。
2,考え方を変える必要がある。
・今まで発酵食品や果物は体にいいと思って食べている方がほとんどです。
一時的にですが今までの考え方を変えて食生活を変える必要があります。
3,日常生活への影響
・外食、会食などで食品選びに困る場合もあります。
日常生活でのFODMAP管理の工夫
1,低FODMAP食品を選択
・低FODMAP食を日常的に取り入れる事で腸の炎症を抑制する事ができます。
2,調味料や加工食品の注意
・ケチャップやソース類には高FODMAP成分が含まれる場合があるので、事前にどんな調味料にFODMAPが多く含まれている調べておく。
3,外食時の工夫
・低FODMAPの食物繊維や、グリルした肉などのシンプルな料理を選ぶ事で高FODMAP食品を避けやすくなります。
まとめ
FODMAPは、特に消化器の症状を抱える人にとって有益な食事療法だと考えております。
その効果を最大限に活かすためには、適切なステップを踏んで自分に合った食品を見極めることが重要です。
無理なく少しずつ実践することで、消化器の健康と日常生活の質の向上が期待できます。
以前に書いた腸の問題についての記事と共に読まれると腸の不調の改善に役立つと思います。
今回の記事が、これからの健康管理の参考になれば幸いです。
SIBOの記事も一緒にお読みください。
SIBO\\今の不調と体質を可視化//