今回はそもそも食物繊維って何??
体に大事って分かってるけどあんまり好きではないんだよな〜って思っている方も多いと思います。
今回は何で食物繊維が体に大事なのか。人体にどんな作用があるのか。
食物繊維の種類などについて解説していきたいと思います。
目次
食物繊維
ヒトの小腸内で消化・吸収されにくく、消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する食物成分です。
つまり人の消化酵素では消化されづらく、消化管を介して腸内細菌の餌になる物質の事です。
なんのために食物繊維を摂るのか?
共に暮らし、共に身体、腸管を守ってくれている腸内細菌にもエネルギーを送るために僕たちは食物繊維を摂る必要があります。
Joshua Lederberg博士という生物学者が残した言葉で・・・
「我々の身体はヒトと細菌からなる超生命体(Superorganism)である」
という言葉があります。
僕たち人間と僕たちの体の内で生きている腸内細菌は共に生きてこその生命体なのです。
お互いが足りない部分を補って生きています。
食物繊維の種類
食物繊維は大きく分けて2種類あります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維です。
二つの食物繊維の特徴を解説していきます。
不溶性食物繊維
・便を固める
・蠕動運動の誘発
・腸のお掃除
・下痢の改善(アルコール・胃の問題を改善するのが先)
主に便を固めたり、腸の中をウネウネと動いて(蠕動運動)直腸まで届く間に便を形成していくので腸のお掃除もしてくれます。
便を固めてくれるので下痢の改善にも役立ちます。
水溶性食物繊維
・便を作る
・善玉菌の餌
・便秘の改善
・血糖上昇の抑制
・LDL-コレステロールの低下
実はこちらの方が腸内環境を整えるのに重要です。
さらに血糖上昇の抑制やLDLの低下にもつながります。
それぞれの食物繊維の種類は下記のようになっています。
それぞれの食物繊維には特徴も変わりますが、効果も変わります。
その違いは以下になります。
不溶性 | 水溶性 | |
腸内細菌の資化性(餌にする) | △ | ◎ |
短鎖脂肪酸を産生 | △ | ◎ |
便の乾燥重量増加 | ◎ | ✖️ |
便の水分量増加 | △ | ○ |
蠕動運動誘発 | ◎ | △ |
食後血糖値の上昇抑制 | △ | ◎ |
体の不調がある方は水溶性の食物繊維を多く摂った方が効果的です(ただし下痢気味の方は取りすぎ注意です)!!
推奨摂取量
水溶性:不溶性の推奨割合 1:2が望ましく、推奨摂取量(一般的には)は男性20g以上(水7g 不14g)女性18g以上(水6g 不12g)が望ましいと言われますが、現代人は食物繊維の摂取量が足りてないので、できれば男女共に30gの摂取が望ましいです。
※イヌリンもおすすめです。イヌリンは多くの有用菌に対して資化性を持ちます。イヌリンの摂取により血糖値の上昇抑制、乱降下の抑制が期待できます。
僕もよくお水に混ぜたり、お米に入れたりしています。
食物繊維の量
実際の量はどのくらい摂ればいいかの目安です。参考にしてみてください。
これを目安に改善したい症状に合わせて摂取すると不調の改善に繋がります。
下痢気味の人は不溶性食物繊維多め。
便秘気味の人は水溶性食物繊維多め。
アレルギー疾患のある方は水溶性食物繊維多め。
などと使い分けると効果的です。
※水溶性食物繊維、オリゴ糖は大腸内で発酵し短鎖脂肪酸を生成します。
短鎖脂肪酸は腸内細菌の餌となり腸内環境を改善します。
まとめ
今回は食物繊維種類や量について解説していきました。それぞれの症状に応じて水溶性を増やすか、不溶性を増やすかを考えながら摂取していくと不調の改善にも繋がってきます。
食物繊維は腸内細菌の餌となり酪酸を生成し腸内環境の改善につながります。
中々野菜をたくさん摂るのは大変ですが、日々の食事の中に少しずつ取り入れていくと必要量が摂りやすいと思います。
この記事がお腹の不調がお悩みの方に役立てていたら幸いです。