腎臓が寿命を決める

興味深い本を読んだのでご紹介させて頂きます。

黒尾 誠先生の著書 「腎臓が寿命を決める」

黒尾先生は長年「リンと腎臓の関係から老化のメカニズムを解明する。」をテーマに研究をされている方で、30年前の研究室で明らかに他とは違うマウスを発見されました。

そのマウスはやせ細り、背骨も曲がり、歩き方もぎこちなく、毛も薄く、明らかに高齢化しているように見えたそうです。

何故、そのマウスだけ他のマウスに比べて老いるスピードが早かったのでしょうか??

これは人間の寿命にも関係する事です。

ここでは概要を書いております。もし詳細が知りたい場合は書籍を購入し読まれるようお願いします。

クロトー遺伝子とFGF23

なぜそのマウスだけ老化しているのかを調べていくと、腎臓にあるクロトー遺伝子の欠損と、骨にあるFGF23という物質が出ていない事を発見されました。

両者ともリンの代謝に関わり、食事などで吸収されたリンが血液中を流れ必要な器官に届きますが、リンが過剰になった場合にFGF23が分泌され腎臓に届けられ、腎臓の尿細管にあるクロトー遺伝子が反応しリンをオシッコとして体外に排出されてリンの濃度を一定に保ちます。

しかし、このクロトー遺伝子がなかったり、FGF23が分泌されないとリンの排出が出来ずに、血中でのリン濃度が上昇し老化を加速させるとの事です。

リンが老化を加速する

リンはカルシウムと結合しリン酸カルシウムとして骨を強くします!!これが僕たちの骨の主成分となってきます。

生物が海から陸に上がれたのは、このリン酸カルシウムで骨が強くなり重力に耐えれるようになったからです。

しかしリンが過剰な状態になると過剰なリン酸カルシウムを作ってしまい、骨以外にも色々な場所で「石灰化」して体のあちこちで炎症を起こしてしまいます。

動脈硬化、胆石、石灰沈着性肩関節炎などなど・・・

つまり過剰なリンは慢性炎症を引き起こし僕たちの体を加速度的に老化させるのです。

CPP

リン酸カルシウムはタンパク質と結合しCPPという「リン酸カルシウムのコロイド状」となってきます。前述したように、これが骨にある間は骨を強くして問題はないのですが、骨以外に流出してしまうと体中で非感染性慢性炎症を起こし、様々な疾患の元になってしまいます。

不溶性物質リン酸カルシウム
たんぱく質と結合CPPリポたんぱく
(HDL、LDL)
貯蔵先脂肪細胞
貯蔵先から溢れると動脈硬化(血管石灰化)
老化
動脈硬化(粥状硬化)
脂肪肝
リン酸カルシウムと脂の比較

脂も摂りすぎると動脈効果を引き起こしてしまいますが、リンも摂りすぎると血管石灰化の動脈効果を起こしてしまいます。そして老化も加速してしまいます。

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早めに手を打つのがベスト!!

ヒトの腎臓にはネフロンという濾過装置があります。

これが体内の水分を濾過し老廃物を外に流します。なんと1日で180Lもの水分を濾過し1.5Lのオシッコを作り排泄されます。しかし、このネフロンも歳を重ねると段々と数が減少していきます。

60歳ぐらいになると20歳の時の半分ぐらいになるという驚きの報告があります。

そしてこのネフロンの数は人によって異なり、多い人で200万個、少ない人だと100万個とか50万個だそうです。

過剰なリンは腎臓を傷つけ老化を早めてしまいます。

リンを過剰に含んでいるのは、なんと言っても食品添加物!!

若いうちから高カロリーな食事やスナック菓子を沢山食べているとネフロンの濾過機能を過剰に使ってしまうので、元々ネフロンの数が少ない人は若くして慢性腎臓病に移行してしまうリスクもあります。

もしクロトー遺伝子やFGF23がしっかり機能がしていなければもっと早く進行してしまいます。

沢山リンを含む食材を摂って、年齢も高くなると、体内の余分なリンを排出する能力が低くなり高リン血症になりネフロンがどんどん消耗されてしまい老化も進んでしまうかもしれないので注意が必要です。

早めの食生活の改善は必須という言うべきかもしれません。

こちらに体に負担をかける記事を載せています。

体に負担をかける食材

まとめ

今回は腎臓と老化の関係性について興味深い本を読んだのでご紹介させて頂きました。

経験や知識として腎臓が弱いと体に様々な影響を及ぼす事は知っていましたが、体にとって重要なリンが過剰になると腎臓に悪影響を及ぼし、それが全身の炎症にも繋がり、様々な体の不調に繋がるメカニズムを知れたのは今後のメタトロン測定の参考になりました。

皆様が健康で素晴らしい日々を過ごされる事を願っています。

ここで紹介した内容は概要であり、実際の具体的な対策法などは本に書かれていますので、気になる方はご購入してください。