脂質の基礎

今回は脂質の基礎についてです。

脂質は、体にとってとても大事な栄養素です。

しかし、現代は良質な油もありますが、体に悪い影響を与える油もあります。

しっかりと理解していくと体の慢性炎症も抑えられ不調改善にも繋がると考えております。

どうぞ最後までお読みください。

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脂質の考え方

ここでは脂質の基本的な考え方をお伝えします。

油はあまり太るから摂りたくないな。とか、悪玉コレステロールが増えるからなるべく摂らないようにしている。

などのお話も聞きますが、良質な脂質をしっかりと摂る事をお勧めします。

では、基本的な考え方です。

①細胞膜を構成する栄養素。

②炎症と抗炎症に関与し、薬理効果も高い栄養素。

③調理で油を積極的に使うのは栄養素の質を悪化させます。

④脂溶性ビタミンの吸収に必須。

⑤消化吸収には胆汁と膵リパーゼが必須です。

このように体の反応に関わる重要な栄養素であり、その作用は他の栄養素より強いです。

脂質の重要性

人体の成分比(水分を抜く)は・・・

タンパク質 約53%

脂質 約43%

糖質 約4%

脳の約60%は脂質で出来ています。

脂質の割合は体の構成比ではタンパク質の次に高いです。

意外と糖質が低いですね。

脂質とは

水に溶けず、有機溶媒に溶ける物質の総称で分子内に脂肪酸を含んでいるものを脂質と呼びます。

また脂肪という言葉も同様に使われる傾向があります。

「中性脂肪」に対して使われることが多く、医学的には脂質の方が用いられます。

油と脂

油(Oil)は「常温で液体のもの」を指します。

脂(Fat)は「常温で固体のもの」を指します。

中性脂肪

脂肪は全て中性です。

グリセロール(アルカリ部分)と脂肪酸(酸性)が結合し、中性となっているので中性脂肪と呼ばれます。

※油はメリット、デメリットというより体の状態に合わせて脂肪酸毎に使い分けが重要です。

脂質の種類

ここでは脂質の種類について解説してきます。

一言に資質と言っても様々な種類があります。

ここを把握しておきましょう。

単純脂質

人体の中に最も多く、エネルギーストックになります。

リパーゼなどの酵素反応を経て、複合脂質を作る上での原料となります。

複合脂質

リン酸、糖、アミノ酸などを含み、エネルギー源というより具体的な機能を持つ脂質です。

誘導資質

複合脂質が加水分解によって誘導される脂質です。

脂肪酸、コレステロールなど

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脂肪酸の構造

次は脂肪酸の構造についてです。

これによって様々な様態へと変化していきます。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

炭素の二重結合がなければ飽和脂肪酸、炭素の二重結合があれば不飽和脂肪酸(下の緑の図で真ん中をよく見たら二重線になっている所です)。

二重結合の数が一個あれば一価不飽和脂肪酸、2個以上あれば多価不飽和脂肪酸と呼ばれます。

そしてメチル基側から数えて9つ目に二重結合があるものをオメガ9と呼びます(一価不飽和脂肪酸のオイレン酸を白丸を左から数えて9番目に二重結合があります)。

3つ目だったらオメガ3。

6つ目だったらオメガ6。

となってきます。

これにより、脂質は様々な作用を生み出します。

脂肪酸の種類

脂肪酸の種類は短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸によって区分されます。

分類名称炭素数二重結合所在
短鎖脂肪酸酪酸なし(飽和)乳脂 腸内細菌(善玉)が生成
カプロン酸なし(飽和)乳脂
中鎖脂肪酸カプリル酸なし(飽和)ココナッツ油、パーム油、乳脂
カプリン酸10なし(飽和)ココナッツ油、パーム油、乳脂
長鎖脂肪酸ラウリン酸12なし(飽和)ココナッツ油、パーム油、乳脂
ミスチリン酸14なし(飽和)ココナッツ油、パーム油、乳脂
パルミチン酸16なし(飽和)パーム油
オイレン酸181(不飽和)オリーブ油、菜種油
リノール酸182(不飽和)大豆油、コーン油
リノレン酸183(不飽和)亜麻仁脂、えごま脂
エイコサペンタエン酸205(不飽和)魚油
ドコサヘキサエン酸226(不飽和)魚油

まとめ

脂質は栄養療法を円滑に進めるためには大切な栄養素です。

脂質の質を理解せずに摂取すると体の炎症を助長したり、免疫の暴走を引き起こしたりします。

今回は脂質を摂るメリットと脂質の種類を解説していきました。

次回はより詳しく体に起こる薬理反応について解説していきます。

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