以前に「運動による糖の取り込み」について一緒に勉強してきました。
その中で機能性低血糖についてお話しましたんですが、今回はそれについて一緒に勉強していきましょう!!
機能性低血糖って何??って思う方も多いと思いますが、実はこの機能性低血糖に陥っている方って意外と多いのではないかと考えています。
多くの方が、うつやイライラなど心理的な緊張によって悩まされています。
それを栄養の問題で解決できる可能性もあります。
目次
機能性低血糖とは?
機能性低血糖とは簡単に言うと血糖値が急上昇してから急降下して低血糖になるような状態です。
まずは上の図を見てください。
ここには血糖値をコントロールする様々なホルモンが関わってきます。
前回の復習も兼ねて勉強していきましょう!
栄養学的に言うと、体がいい状態でいる為には空腹時血糖が90〜100程で安定しているのがいいと言われています。
そして、血糖値が上がるとインスリンが分泌され血糖値を下げようとします。
逆に血糖値が下がると先ずはグルカゴンが分泌され、それでも下がり続ける場合は命の危険に晒されてしまうので、アドレナリンやコルチゾールが分泌されて血糖値を上げようとします。
このホルモン達のお陰で、私達の血糖値は安定していますが、日常的にジャンクフードや精製糖などを食べているとこのコントロールが効かなくなってきて血糖値が急激に上がったり、下がったりする状態になります。
機能性低血糖の発生機序
機能性低血糖をお持ちの方は特徴的なパターンを示すと言われています。
定義では食後5時間以内の60分間で50mg/lの降下が起こる。これを機能性低血糖と言います。
血糖値のジェットコースター状態です。
正常であれば食事やおやつなどで糖を摂取しても穏やかに上がるのですが、日常的に精製糖などを摂っている人の血糖値のパターンは上記の様にかなり急激に上がったり下がったりします。
その時、体には以下の様な事が起きます。
①スナックや甘い物やジュースを飲むと急激に血糖値が上がる。
②血糖値を下げる為に膵臓から大量のインスリンを分泌する。
③血糖値が急激に下がり低血糖になる。
④正常の血糖値に戻すために副腎皮質からアドレナリンが分泌される。
⑤アドレナリンによって攻撃的になる。
この様な流れが起きてきます。
体に負担をかける食材はこちらの記事をお読みください。
体に負担をかける食材低血糖になった時に起こる精神的な症状
低血糖は心身共に様々な症状を引き起こします。
でも、これって以前の私もそうでしたが、日常的に感じる事があった症状と一緒です。
もしかしたら私たちが感じていた日常的な疲労感の原因は低血糖かもしれないです。
低血糖になると様々な症状を引き起こします。
神経過敏・怒りやすい・無気力・うつ・眠い・忘れっぽい・不安・神経混乱・おびえ・集中力欠如・意識を失う・自殺志向・神経衰弱
異常な疲労感・起床時の疲れ・日中特に昼食後の眠たさ・集中力の欠如・めまい・ふらつき・物忘れがひどい・目のかすみ・目前暗黒感・眼球の痛み・呼吸の浅さ・光が眩しい・甘い物が無性に食べたくなる・胃腸が弱い・口臭・ため息・生欠伸・失神発作・偏頭痛・筋肉痛・肥満
このような興奮・緊張・不安・恐怖が続き交感神経が優位になり自律神経の乱れに繋がっていると考えられます。
また副腎ホルモンも慢性的に分泌されるので慢性疲労に陥ってしまう可能性が出てきます。
副腎疲労(Adrenal Fatigue)機能性低血糖の原因
なんで低血糖になるのか?
それは私たちの生活に普通にある物が原因となっていて気づかないからです。
低血糖の原因は主に食生活に原因があります。
中には糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方もなりやすいですが、
主に食べる物や習慣によって機能性低血糖に陥りやすくなります。
①ジャンクフードや精製糖による栄養欠損
②ストレスによる過食
③基礎疾患
④高度栄養不良状態
⑤意図的な過食、特に精白炭水化物の過剰摂取
⑥アルコール、アルコール、コーヒーなどのカフェインの過剰摂取
⑦ビタミン、ミネラルの不足
⑧食物繊維の摂取不足
低血糖の予防法
機能性低血糖の予防は、まずは機能性低血糖を起こさない事が大事です!!
以下の事を実践していきましょう。
①食事はゆっくり噛む
食事はゆっくりと噛む事で血糖値の上昇を緩やかにします。
唾液に含まれるアミラーゼによって糖類が分解され、細胞に吸収されやすくなります。
②砂糖が含まれているお菓子や清涼飲料水などの精製糖を控える
清涼飲料水は、ほぼ何も代謝が行われずに血液に吸収されてしまうので、血糖値が急激に上がってしまうので、絶対に控えた方がいいです。
③アルコール・カフェインを控える
アルコール・カフェインは交感神経を活性化させて血糖値を上げてしまうので飲み過ぎに注意です!!
④果糖の多い物を控える
こちらも血糖値を上げてしまったり、溢れた果糖は中性脂肪になり肥満の原因にもなってしまうので取り過ぎ注意です!!
⑤定期的な運動
運動は糖を細胞内に取り込む作用が起きて血糖値の安定化につながります。
詳しい事はこちらの記事をお読みください。
運動による糖の取り込み⑥午前中の食事は抜かない
空腹が長く続くと血糖値が下がり、アドレナリンなどのホルモンが分泌され交感神経優位になるので注意が必要です。
体質的な問題もあり、筋肉質な人は長時間の空腹に耐えられますが、痩せ型の人や肥満の方は血糖値バランスが乱れてしまうので気をつけてください。
⑦3食規則正しく食べる
3食規則正しく食べる事で、血糖値が安定してきます。
しかし何でも食べていい訳ではないです!!できれば和食で、しっかりと栄養素を摂りましょう。
⑧食物繊維の摂取
食物繊維も血糖値を穏やかにしてくれます。
それ以外にも食物繊維に含まれる栄養素が血糖の細胞取り込むを促してくれます。
食物繊維についてはこちらの記事をお読みください。
食物繊維⑨ストレスコントロール
ストレスコントロールもすごく大事です!!
ストレスコントロールで有効なのは、運動と瞑想です!!
まずは一日5分でもいいので外を歩く。
そして、これまた一日5分でいいので仰向けで目を閉じてゆっくりと自分の体を内観する時間を作ってください。
以上が機能性低血糖を抑える予防法です。
心と体が軽くなる瞑想のやり方血糖維持に重要な栄養素
血糖値を急激に上げない為に必要な栄養素はビタミンB群とマグネシウムです。
ビタミンB
豚肉・大豆(豆腐、納豆など)・未精製穀物・うなぎ・鮭・カシューナッツ
マグネシウム
・海藻類・大豆(豆腐、納豆など)・未精製穀物・ナッツ類・バナナ
ビタミンB群とマグネシウムは食事から摂った糖をエネルギーに変える代謝に必要な栄養素です。
もしこれらの栄養素が足りていないと、糖は細胞に取り込まれずにエネルギーに変換される事がなく血液の中を彷徨ってしまいます。
いわゆる血糖値が高い状態です。
よく会話の中で「健康診断に行ったらヘモグロビンA1C (HbA1C)が高くなった〜。」と出てきます。
これは、糖がタンパク質と結合したAGE,sと言われ、高血糖が常態化する事で高くなります。
ですので、糖をエネルギーに変えるにはビタミンB群とマグネシウムがとても重要になってきます。
これらを一気に取れる食材は、玄米や大豆類になるので、主食を玄米や雑穀米、汁物は味噌汁が血糖値維持には最適の組み合わせと言えます。
まとめ
今回は急激に血糖値が急激に上がったり下がったりする現象「機能性低血糖」について一緒に勉強していきました。
低血糖から起こる心身の症状は、普段から感じる事も多いのではないでしょうか?
もしかしたら原因は分からないけど慢性的に起きている不調は低血糖も関わっているのかもしれないです。
この様なメカニズムを理解し、やる事は先ずは血糖値が上がる様な食生活は控える。
そして血糖値のコントロールが出来る様にマグネシウムやビタミンBの多く含まれた食材を選び、糖がスムーズに細胞に吸収されるサイクルを作っていく事が大事だと考えております。
脳は適切な食事と運動でいい状態が保たれ、心身共に健康な状態を維持する事ができます。
今日から少しずつ実践してみてください。
皆様の不調が改善する一つのきっかけになれば幸いです。